憧れの器
ヨーロッパ諸国では16世紀以来東洋からもたらせれる様々なものの中でとりわけ、磁器は王侯貴族たちの 憧れのものであったそうです。
当時のヨーロッパのやきものの常識を超えた、白い磁肌に 鮮やかなデザインの染付け、華やかな色絵、絢爛たる染錦手の磁器などは、金や宝石と等しいほど貴重なものでした。
各王侯たちは争うように磁器を蒐集したが、自国内で磁器を生産するために熱心な試行錯誤が行われました。東洋の磁器にも等しい製品を作る試みは、ヴェネツィアに始まりトスカーナ
フランス、オランダ、イギリスでも試みられていたが、成功しなかったのです。

西洋においての「磁器」へのあこがれは、錬金術と並ぶ挑戦の日々であり、そしてついにこれが実るのが1709年のことであり、ヨーロッパで最初の磁器がマイセンで作られるようになったのです。
その製法はわずか数年のうちに広まり各地に磁器工場が設立され、主だったものだけでも
30ヶ所以上でそのブームを支えていたのが蒐集欲であり、産業政策でした。

カップ&ソーサー
この時代に新しい飲み物が登場します。それは今でこそおなじみですが、当時の貴族社会に急速に広まったのが、紅茶、コーヒー、チョコレートでした。
チョコレートは現代のような固形の物ではなく液体の飲み物で、これらのものは人々を魅了しこれを飲むための特別な器も必要だったわけです。
イギリスって言えば紅茶文化、イタリア、フランスのコーヒー文化、ベルギーのチョコレート文化などですがもとは、ヨーロッパ以外の遠い異国がもたらした嗜好品だったのですね。


現代マイセンの誇り

現代のマイセンには「芸術創造のための集団」があります。
1960年に設立された芸術家グループで孤立したアトリエを構え、独創的で、芸術性が高く
斬新なフォルムや装飾デザインでマイセンの新商品を次々発表していきました。

花形広口デザイン
芸術集団のひとり、ツェプナー創案のグローサー・アウスシュニット、いわゆる、花形口縁のテーブルウェアは新しいマイセンを拓いた作品として評価が高く数々の賞を受賞しているそうです。
Cu01〜Cu06までは 花形口縁カップです。

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